〜 内閣府メールマガジン 一部抜粋 〜 ━ 発行: 内閣府 仕事と生活の調和推進室 ━━━━━━━━━━━━━━━          ■□カエル!ジャパン通信 Vol.64□■                         2015年1月30日 発行 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  今月は、「仕事と子育ての両立」をテーマに、労働者側の視点から、社会保 険労務士・新田様によるコラムを中心に、ワーク・ライフ・バランスに関する 施策紹介や最新の動き、調査結果等についてお送りします。 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: (目次) ≪コラム≫ 「仕事と子育ての両立」  グラース社労士事務所 代表 新田香織氏 ≪制度施策紹介 〜人事担当の皆様へ〜≫ ●パートタイム労働法の改正について【厚生労働省】 ≪企業事例紹介≫ ●短時間正社員制度導入支援マニュアル【厚生労働省】 ≪最新情報≫ ●お知らせ ・労働条件に関する情報発信を行うポータルサイトを開設【厚生労働省】(20 14年11月) 他 ●地方公共団体等の動き ・テレワーク普及啓発セミナーを開催【北海道】(2014年12月) 他 ●イベント(開催日順に掲載) ・新しいパパの働き方を考えるフォーラム【主催:奈良県】 他 ≪統計・調査トピックス≫ ●平成25年版働く女性の実状【厚生労働省】(2014年12月) 他 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ≪コラム≫ 「仕事と子育ての両立」  グラース社労士事務所 代表 新田香織氏  仕事と子育ての両立が可能になるように制度を整備したとしても、両立は難 しいのが現状である。その理由の一つに子育ては女性が担うものという社会的 な認識が未だ変わっていないことが挙げられる。例えば共働き夫婦では保育園 に子どもを迎えにいくのは大抵の場合、妻である。子どもが生まれても夫は残 業や出張等で忙しいからだ。一方で、夫と同じように出産前には残業や出張を していたとしても、妻は出産後には短時間勤務制度等を利用して働き方を変え ている。妻が働き方を変えた方が良いと考えてそうしている夫婦もあれば、男 性よりも女性が働き方を変える方が受け入れてもらいやすいという職場の風土 や事情もあるからである。  出産は女性にしかできないが、育児は男性にもできるはずである。事実、育 児介護休業法は成立当時から男性も利用できるように設計されている。にもか かわらず男性が制度を利用することは滅多にない。しかしもっと制度を柔軟に 運用することで男性の利用が増えるのではないか。例えば所定外労働の制限の 制度(育介法第16条の8)は残業を免除する制度であるが、希望する曜日や 日だけ利用できるようにしたり、育休中でも必要が生じれば出社することも可 能とすることで利用への意識的ハードルが下がるであろう。育休中の出社はあ くまでも本人の同意が前提ではあるが、重要な会議への参加や非常時などの出 社は法的にも問題ないはずである。  このようにして男性がもっと育児に関わる様になれば、子育てをしながら働 いている女性労働者が時間制約を理由に責任ある仕事、出張、研修などを辞退 することは減るのではないか。  少子高齢化が深刻な日本では今後、性別を理由に働くことを躊躇する人は減 らしていかなければならない。そのためには、残業可能な人を基準とした労務 管理体制を変え、誰もが柔軟な働き方を選択することができる意識改革と同時 に、以上の様な制度運用の工夫も必要であると考えている。